6:56
冬に価値は無い。マジでしょーもない。思い出しすぎるんや、色々と。あと冬は期待感を持てる日が少ない。日が沈むのが早すぎるから家にいる時間が伸びる、なんもワクワクしない。自分はかなり雪が積もる街に住んでいるのだが、一面雪でダルい。別に歩きにくいとかは無いんだけど、ホントに白すぎてキモい。でも街頭に照らされて橙色になってる雪はめっちゃ好き。なんかアメリカみたいでかっこいい。
その点、夏は素晴らしい。何をしてもワクワクするし、くだらん葛藤とかも六時の夕暮れで直ぐに吹き飛ぶ。あと夏は匂いがいい。最後に嗅ぐ匂いはあれがいいな。
最近ようやくEPが完成の目途が立ってきたかも。今の俺の感性とか思考をぬるっと表現できてたらいいな。タイトルは「痕跡」にしようと思う。
とりあえず今年はより一層頑張りたいと思う。
躊躇
二年ほど前「海獣の子供」というアニメ映画を見た。
それは素晴らしい作品で見た次の日に舞台の江の島に向かうほど良かった。
そこから自分は江の島の虜になり、今でも年に一回は必ず行く。
その一回は元旦だ。
今から話すのは今年の元旦の江ノ島でのお話。
2023年1月1日俺は江の島に向かう為、藤沢行きの小田急線の電車の中で揺られていた。
どうでもいい動画を見ていた気がする。
藤沢に着いてドンキで飲み物を買い、江ノ電で鎌倉高校前まで向かった。
なぜ鎌倉高校前かというとホームから海が見えるからだ。
車窓から見える煌めく青色の海と共に聞くgroup_inouのchoice(中村佳穂カバー)は最高でしかなかった。
そうこうしているうちに鎌倉高校前に着き、こんな素敵な所で高校生活を送れる高校生に少しうらやましさを感じながら駅周辺を散策した。
ひとしきり散策したので、青ブタのopで咲太がダッシュする所の成長巡礼をしながら新江ノ島水族館方面に向かい歩いた。
特に行きたい場所も無かったけれど、江の島の持つ神秘の中ではただの散歩も特別なものに感じた。
晴れていた事もありこの日は富士山が見えた。
なので自分は富士山がよく見える腰を下ろせる場所に向かい、そこで富士山を眺めていた。
割と混雑していたけれど運よくベンチに座れた。
10分ほどたった頃、おそらく外国人観光客であろうモンゴル系の顔立ちの中国人の家族がやって来た。
30代くらいのかなりふくよかな娘、60代くらいで娘そっくりな母親、60代くらいの父親の3人組。
全員ユニクロみたいな質素な服を着ていた。
凄くテンションが上がっていて長い自撮り棒を使い富士山をバックに写真撮影をしていた。
中国語の発音が大きいのも相まって少しに浮いていたが迷惑という感じじゃなくて純粋に楽しんでいる感じだった。
日本が好きなんだろうなって感じで凄く良かった。
その家族が来てから5分くらい経った時の事だった。
娘が父親に何かを伝えて自分のスマートフォンを渡した。
娘と母親が並んだ。
それを見ていた俺は父親が娘と母親の写真を撮るのだと思っていた。
答えは違った。
父親がスマートフォンの画面をタップした瞬間爆音で音楽が流れ,娘と母親が踊りだしたのだ。
しかもゼロツーダンスと呼ばれるtiktokのかなり煽情的なダンスだ。
答えはエロダンスを本気で踊るだった。
俺は驚きが隠せなかった。
こんなにも人がいる中で踊る彼女らの目に一切の躊躇がなかったからだ。
その光景はまるで砂山に建てられた旗のようだった。
しかも何が気に食わなかったのかは知らないが2回くらい取り直していた。
パニックになった俺はしばらくその旗を眺めた後、足早に江の島を後にした。
冷静を取り戻した俺は藤沢駅でこう思った。
かっこよかったと。
人の目や空気感を気にせず己を貫くその姿に感銘を受けた。
俺もそうありたい。
俺もその砂山からの景色を見てみたい。
富士山よりも高いその山からの景色を。